Yaku

クワガタムシの採集・飼育をしています。

オオクワガタ初採集時の話

2024年4月4日 関西某所

天気にも恵まれ、予定もちょうど空いていたので、この日は材割り採集に出かけた。狙いはオオクワガタ。この後の予定的に、この日が2023年度冬シーズン最後の採集日だった。

 

目的地に到着する。道端では材割りの後が散見され、採集圧の高さが伺えた。

自分も幾つか割ってみるが、出てくるのはオオゴキとコクワのみ。ここまではいつものパターンである。

これはコクワ…だと思う。

 

違うのはここからだ。歩いているとふと、斜面に転がっている倒木に目を引かれた。その樹皮は殆ど剥がれているが、ほんの一部分だけ残っている箇所があるのを見つけた。なんとなくそこを削ってみると、太めの食痕が現れた。

最初はどうせタマムシだろうと鷹を括っていたが、次第にその食痕の長さ・太さに違和感を覚える。

万が一、ヤツだった場合を考慮して慎重に削っていくと、菌に巻かれた何かの死骸が出てきた。

 

これは、これは、間違いない…!

間違いないが、少し遅かった…

羽化の途中で力尽きたのだろうか。もし無事に羽化していたら大歯は確定だっただろうに、非常に悔やまれる。胸幅は約22mm。

この太さ。

 

改めて見ると、タマムシのタの字もない。

 

他にも、蛹と思われしものが出てきた。

 

 

一通り割り終えたところで、周辺を見渡してみると、死骸材の目の前にコナラの立ち枯れを発見。ブロハンを数回入れてみると、ぽっかりと穴が空いた。

まだ幼虫の尻しか見えていないが、その大きさからコクワでないことは明白だ。慎重に、慎重に取り出していく。

 

脳汁の瞬間…!!

「おおーーーー!!!!」と思わず声が出た。

坊主を喰らい過ぎて、本当にワイルドのオオクワガタは実在するのかと疑った時期もあったが、決してそんなことはなかった。達成感と安堵感が込み上げてくる。

 

正面から。0を1にする難しさを体感した。

 

今回の立ち枯れ。正直、食痕の迫力は死骸材の方がよっぽどあった。食痕の色の濃さから察するに、材の状態があまり良くなかったのだろう。

また、YouTubeで某氏が仰るような「抜け感」はあまりなかったような気がする。

 

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立ち枯れ材の環境を観察してみて、

・川、沢、池が近くにある

・南斜面

にオオクワ材(良質な白枯れ材)は多く存在するのではないかと思った。※母数が少ないので信頼性はほぼゼロ。

最初のうちは、南斜面で硬めの白枯れ材を可能な限り多く割って"偶然"を狙うのが近道ではないだろうか。※過度な材割りを推奨するものではない。

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この後追加を得ることはなかったが、非常に大きな満足感を得る事ができた。

次は、生きたオオクワガタ成虫を採集したい。